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政府の人間はもちろん、お役人も、大学の先生も、新聞の論説委員も、この種の議論には乗らない。
「軍事転用? ははは。貴兄はご存知ないようですが、核兵器の製造はNPT体制の厳重な管理下にあって原理的に不可能なのですよ」
と、百万ドルの建前論をぶっつけて陰謀論を粉砕する。そうすることが、長らく、彼らにとっての、唯一の正しい対応策だった。
であるからして、大新聞の社説が、「原発の潜在的核抑止力」に言及するだなんてことは、本来ならば、想定外のそのまた外側にある巨大津波クラスの椿事なのである。
で、その空想科学小説的な未来が、突然やって来たわけだ。ぽぽぽーん、と。
現実に、読売新聞は、原発が潜在的な核抑止力である旨を申し述べている。しかも社説で。
なんということだろう。
本来なら、この種のセリフは、新聞の社説が言ってしまって良いお話ではない。
なんとなれば、「原発核兵器論」は、「それを言ったらおしまいでしょ」的なぶっちゃけ話で、そうでなくても、著しくたしなみを欠いた議論だからだ。
個人的には、
「要するに『核拡散防止条約』ってのは、実質的には『核兵器保有国利権現状維持条約』なわけだわな」
「っていうか、『てめえら弱小国が核兵器を持とうだなんて百年はえーんだよ条約』と呼ぶべきだと思うが」
と言っているのとそんなに変わらないと思う。
マナーとしては、婚活パーティーの席でいきなりセックスの話を持ち出す態度に近い。
とてもじゃないが、紳士のプロトコルとは言えない。
こういう言い方は、少なくとも、震災前には考えられなかった。
それが、白昼堂々新聞の社説として配信されてきている。
時代も変われば変わるものだ。
それほど、原発推進派(もはや「潜在核兵器推進派」と呼ぶべきなのかもしれないが)は、必死だということなのだろうか。
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